スライド01

私が話をするのが奄美市笠利町にある大笠利カトリック墓地である。


スライド02

中心として紹介するのが、笠利町にある大笠利カトリック墓地である。大笠利カトリック墓地は大笠利教会に所属する。大笠利教会は1904年から始まり、今に至って100年以上の歴史を持っている。墓地自体は1963年に竣工(しゅんこう)したのである。

スライド03

墓地は大笠利教会より歩いて3分ぐらいのところにある。このような扉があり、鍵はないが、閉じられて、錆がはいて老化のためかなり開けにくいです。奄美の建物の開放性がすごく印象的である。しかしここは門がしっかり閉じられ、次の写真で見せるように1メートルぐらい高い塀もしっかりあるのも印象的である。

スライド04

扉の右左から、壁がザーッと両方に伸びます。なぜこのようにしまっているのか。一つは、位置的に、教会は道のすぐ隣です。道路で走っている車の暴走などを防ぐためかもしれない。

スライド05

もう一つは、大笠利教会の中で、1930年代ごろの「奄美カトリック迫害(はくがい)」について、資料を置いてました。大笠利教会の建物も、焼失(しょうしつ)されました。この絵は、奄美風の衣装を着る、仏教を守護する鬼子母神(きしぼじん)をイメージしていると教えてもらいました。この絵は政府からカトリック教を保護する意味も含まれているのではないかと考えられる。そうであれば、1946年日本戦敗の後再びクリスマスを祝ったカトリック教徒に対して、1960年代に竣工した墓地の壁は、村人に対する警戒心を示しているかもしれない。

スライド06

墓地はこの堂を中心に、地図のように広げる。平面にすれば、十字架のほうが海側、下が山側である。中国の墓地風水学によれば、山と水が挟むところは墓地によいのである。もしかして、中国の風水学でもこの墓地の設置に与えているかも。

スライド07

墓地の中のお墓は、教会に定められた大きさの敷地に、定められた様式のコンクリート製十字架億ことになります。一般的カトリックのお墓は、生前の功績で墓石や十字架の形を定めるようであり、基本的に自分の好みでディザインをえらねる。大笠利カトリック墓地でも、後で述べる名瀬にあるカトリック墓地でも、墓地を管理する教会が墓石を決めるのである。

スライド08

制作中のコンクリート十字架は十字架と下の墓石を組み合わせになる

スライド09

お墓は基本的家族葬であり、霊名、お名前、亡くなられた日にち、年齢の順に書かれます。

スライド10

十字架の前に、お花とお香立と水鉢(みずばち)のがわりに湯飲みなどを置くのが一般的。

スライド11

スライド12

燃やしたお香の残りもある。

スライド13

このような形もある。これは名瀬にあるカトリック墓地である。同じような家族墓地に線香立てとお供用の水物、でも環境整備のため供花は持ち帰る。笠利の墓地が一戸建形であるば、これは現代生活に合わせてのマンション形であろうか

スライド14

一般市民墓地に入るカトリック教徒もある。墓石の形は一般市民とほぼ変わらないし、お盆用に提灯をかけるやつもあるが、カトリックのアイデンティティを示す十字架は鮮明に見えるの出会うる。

スライド15

笠利のカトリック墓地に戻ると、お墓のインテリア。西方のお墓は一般的に芝生であるが、奄美のカトリック墓地がサンゴや貝や小粒石でインテリアしている、これは奄美のノロの伝統に影響されているように思われる。

スライド16

逆に隣の老人ホームの老人が自主的に除草を行っている。お墓の様子を見てみても、敷地内ちょこちょこ草もはいてるのお墓があった。それは墓に世話足りないように思った。

スライド17

これはお盆の時提灯(ちょうちん)をかけるためのもの。

スライド18

このような両家墓もある。(右は名瀬のカトリック墓地)

スライド19

このようなコンクリート十字架と木の十字架の組み合わせもある。両方に置かれてるのが個人のお墓であり、どっちでも新しく建てられたものである。教会に聞くと、これは喪主(もしゅ)が決めることだそうである。奄美の習慣を考えると、これは木の十字架で一次葬をして、二次葬の時まだコンクリート十字架の下、家族のお墓にいれるのかもしれない。

スライド20

木の個人用十字架を発見したところで、同じ苗字のお墓も発見。

スライド21

もう一つのもある。あるカトリック信仰者の男性の話を聞くと、彼は笠利町出身だが、次男であるためお墓を継ぐことができなく、名瀬市からお墓を買いましたという。もしこの二つでも同じケースであれば、木の十字架はほかの家に嫁いだ娘が実家の墓に入るケースでもあるかも。

スライド22

奄美のカトリック墓地は、カトリックの伝統以上に、仏教や神道、奄美のノロや宗族観念、色々重ねている。奄美大島自身のように、混合で妙な存在である。